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「こころのクセ」がストレス反応を強くしている可能性があります
否定的な価値観や思い込みを変えることにより、抑うつ感や不安感の軽減をはかる対処方法です。 例えば、完璧主義の人は、ちょっとした失敗でも「すべてがおしまい」と極端に考えてしまいます。そうした 「こころのクセ」 を修正し、柔軟で現実的な考えに変えることで、ストレスは随分和らぎます。 合理的で適切な思考を行うことで、自分自身に強すぎる負荷をかけないようにして、ストレス反応を緩和しましょう。
3つの問いかけによって、「こころのクセ」を修正しましょう。
【事例:仕事でミス。周りの期待を裏切ってしまった。俺はダメな人間だ...。】
問いかけ1 「そう考える根拠は何か?」
「誰の期待をどう裏切ったのか。そう判断できる材料はどのくらいあるのか」と、具体的に分析してみましょう。多くの場合、それほどはっきりした根拠は見つからないものです。
問いかけ2 「だからどうだというのだ?」
「仮に自分の考えが正しいとして、最悪どんなことが起こるのだろうか。その結果はどれほど重要なのだろうか」と、その結論部分について考えてみましょう。そうすると、「世の中に間違いを犯さない完全な人間などいない」、「次の機会に頑張ればいい!」などと考えられるようになります。
問いかけ3 「別の考えはないだろうか?」
また、最初の考え(例えば「周りの期待を裏切った」、「俺はダメ人間だ」...)に対して、「本当にそうか」という疑問(合理的な反論)を自分にぶつけてみましょう。そうすると、「仕事がうまくいかなかったのは、自分の能力が理由だったのではなく、自分一人で仕事を抱えすぎていたからではないか」などと、柔軟に考えられるようになります。
「認知の歪み」とは
(デビット・D・バーンズ著 「いやな気分よ、さようなら」より)
いくつかある情報の中から、自分が気になる情報だけを抜き出し、それに対して、他の情報を無視した、勝手な意味付けを行うことを「認知の歪み」といいます。これにとらわれると、その後も誤った行動をとってしまいます。よく見られる「認知の歪み」から幾つか選んで紹介します。
【 全か無か(白黒)思考 】
ほとんどの問題は、白か黒かのどちらかに決めることはできず、事実はそれらの中間にあるものですが、物事を見るときに 、「白か黒か」という両極端の見方をしてしまうこと。
【 過度の一般化 】
1つの良くない出来事があると、「いつも決まってこうだ」、「うまくいったためしがない」などと考えること。
【 すべき思考 】
何かやろうとする時に「~すべき]、「~すべきでない」と考えること。
【 自分自身への関連づけ 】
何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまうこと。
【 拡大解釈・過小評価 】
自分の短所や失敗を過大に考え、逆に長所や成功したことを過小評価すること。
【 結論の飛躍 】
根拠もないのに悲観的な結論を出してしまうこと。
口癖を変えてみましょう
いつもの考えや口癖がストレスを強めている場合があります。考えや口癖を変えてみると心が楽になります。
ストレスを強める考え・口癖 | ストレスを弱める考え・口癖 |
---|---|
○○○すべきである。 | ○○○であることに越したことはない。 |
絶対に、○○○だ。 | もしかしたら、思い込みかもしれない。 |
いつも、○○○でなくては。 | 時には、○○○でなくてもいいのでは。 |
私には無理だ。どうすることもできない。 | 大丈夫。きっと、どうにかできるはずだ。 |